漢方内科

漢方は6世紀頃に朝鮮半島から伝えられた中国の伝統医学が始まりとされ、その際に漢方の原料となる生薬なども持ち込まれてきたのですが、その後は独自に日本国内で発展してきました。つまり、この独自に発展してきた医学のことを漢方と言います。そのため、漢方薬の中には、日本で開発された生薬も含まれます。

そもそも漢方薬とは、植物、動物、鉱物などに含まれる（薬効としての）有効成分を組み合わせた生薬になります。西洋医学のようにこの病気には、この薬が効くということではありません。服用していくことで、体のバランスを整えていき、人が本来もつとされる自然治癒力を高めていくことで、病気や症状が改善されるようになるというものです。したがって、同じ病気であったとしても別の人では効果がみられないこともあれば、当人であってもその時の体調によって効き目が異なるといったことも少なくありません。つまり処方する際は、その時点の患者様の体調を元にして漢方を配合しているということになります。

また漢方薬を処方する際は、煎じ薬もしくはエキス剤となるわけですが、大半はエキス剤（顆粒や錠剤）となるほか、健康保険が適用される漢方薬でまかなえることが多いです。ちなみに服用し始めても即効性は期待できません。実感するまでには2～3週間程度はかかるとされ、効果の有無を判断するには2カ月程度はみる必要はあります。副作用については、西洋薬（抗生物質 など）と比べると少ないとされていますが、甘草を摂り過ぎると、血圧が上昇する、むくみが出るなどします。また麻黄など胃腸障害を起こしやすい生薬などもありますので、患者様の症状を注意深く観察しながら処方するようにいたします。